* * *


星祭り会場である屋上に着いた時には日は沈んでいた。


薄闇に色とりどりの提灯がぼんやりと浮かび、屋台がずらりと並んでいる。


いい香りが漂う屋台へと気合いを入れて向かった翠と別れ、私は虹くんの姿を探す。


自由参加とはいえすごい人だ……。

待ち合わせ場所を決めておけばよかったな。


人ひとり探すのも苦労しそうなんだもん。

虹くんはどこにいるのかな……?


浴衣姿の女子に囲まれていたら、それこそ見つからないかも……。



──グイッ


その時、突然勢いよく手首を掴まれた。

肩が跳ねて、ガバッと振り返れば、



「なんだよ、その格好は」



ゲッ!!

最悪な展開としか言いようがない。