最後に見たのは、青空を背にした城ヶ崎さんの不気味な笑顔だった。

あっという間に冷たいプールの中へと沈む身体。


「大成功!」と喜び合うみんなの笑い声が、濁った水の中で聞こえた。


このまま死ぬのかな。

這い上がろうとしても、身体は沈む一方で、意識が途切れていく。



幸いにも、すぐに駆けつけた教師数人に引き上げられ、私は目が覚めると病院のベットに寝かされていた。


あの男の子がすぐに職員室に駆け込み知らせてくれたのだと、涙まじりにお母さんが教えてくれた。


そっか……。

あの子が助けを呼んでくれたんだ。


さすがに今回のことは問題となると思ったけれど、「ふざけるはもうやめなさい」と、先生は当事者に口頭で注意しただけだった。


お母さんは何度も先生と話し合ったが、解決される日は来なかった。


卒業までの間、魔女狩りなどなかったかのように静かになり、納まった。