* * *


あの教室には、可愛い顔をした悪魔がいた。



「星七ちゃんは魔女の子供だから、これから魔女狩りをするみたいだよ」


「その話って、マジ?」


「茉莉花ちゃんから聞いたから間違えないよ」



ヒソヒソ、ニヤニヤ、冷たい笑い声。

ウワサは瞬く間に駆け巡り、みんなの視線が突き刺さっていつも痛かった。


……誰も魔女なんて存在を信じるはずがない。


心の中でそう思っていたのに、城ヶ崎さんの発言力は効果絶大だった。



「今まで隠してたんだろ?」


「生き物係りやってんのも、本当はイモリを食うためなんだって聞いたぞ……」


「うえぇ……気持ちわりぃ!」



違う……。

生き物係りは、休み時間が潰れるから誰も引き受けたがらなくて、くじ引きで私が当たってしまっただけだ。