相撲大会でも横綱に輝いた翠は『明るいデブ』と呼ばれて、誰からも好かれて人気者だった。


私もそんな快活な性格の翠が大好きで憧れていた。

学校生活が毎日楽しかったのは、翠と一緒にいたから。


そして、翠が転校してしまったあと、私はそれを嫌というほど思い知った。


いつも声をかけてくれていた女子グループの子は、誰ひとり私へと近寄ろうとしなくなった。


無視されていたわけじゃない。

ただ、今まで翠がいたから、みんなは私にも声をかけてくれていたのだ。


それに気づいた時、私はもうひとりぼっちだった。