プールに行った次の日の夜、私は夢を見た。

あれはまだ私が小学生の時だ。


優しい両親。

無愛想だけど、まだ私をしっかり見てくれていたお兄ちゃん。


家族が大好きだった私の当時の悩みは太っていることくらいで。


恋バナが流行ってきた4年生。

周りを気にして、そろそろダイエットしなきゃかな!って言ったら、



「ウチらはまだ本気出してないだけだってー! 痩せた方は裏切り者だからね!」



と、いつも隣で翠が笑っていた。


クラスでも、それを理由に意地悪したり仲間はずれにする子はいなかった。


時々、男子からは『肩足』とか『おい、内股デブ』とかなかなかひどいあだ名をつけられて、からかわれたこともあったけれど、



「なんて言った? あんた、わたしにまた張り倒されたいの!?」



いつも翠が守ってくれていたんだ。