当のプリンス様はひたすら「ん」とか「で?」とか塩を振り撒いている。



「あんたさっきから虹のこと見すぎ」


「っ、わあ……!?」



ビックリした!!


視界に映り込んできたのはメガネの奥の瞳を細くした深恵くんだ。



「はい逮捕」


「逮捕って……はぁ!?」



机を挟んだ側に立った深恵くんが、いきなり私の手首を掴む。



「罪状は虹へのストーカー行為な?」



刑事気取りがここにもいたとは……。



「それは異議あり! 不当な扱いだよ!」



ヘラヘラと笑ってるけど、なぜか圧を感じる……。