「てかさ、わたし、レーヴに入寮した初日にお兄様と話したんだ」


「えぇ……っ!?」



コソコソと交戦を繰り広げていたら、唐突に翠が思い出したように言った。



「なんか言われた……? お兄ちゃんに」


「ここまで細くなったのは驚いたな……ってまじまじと見られて、胸がギュンギュンしちゃったわね」


「……だからそうじゃなくて」



てか……かなり失礼な発言をする兄だ。


ごめん、翠。



「迷惑でなければ、妹と仲良くしてやってくれって言われたよ。わたしと星七が、小学生の時の友達って知ってたからかな?」



仲良く……?



「……それ、ホントにお兄ちゃんが? そんなことを言うなんて信じられない……」


「星七が嫌うほど悪いお兄様ではないってことじゃない?」



せっかく言ってくれたけど、私にはとてもそう思えなかった。