深恵くんは得意気に顎を上げて答えた。



「いいねぇその反応。かーわいっ」


「そうやってからかわないで! ちゃんと教えてよ!」



だいたい個人情報じゃん。

すなわち、私には知る権利がある!


すると、腕組みをした深恵くんがずいっと顔を寄せてきた。



「虹につきまとってる理由と引き換えに教えてやろうか? ギブアンドテイクってやつ。どう?」



私だけに聞こえるようにコソリと言った。



「……だからっ、つきまとってない!」



翠の目を気にしながらヒソヒソ声で抗議する。



「じゃあ俺も教えてやんねー。残念だったね?」



……くぅっ!!



「あの寮長様が目を光らせてんだから、今後は虹につきまとうことはやめときな?」



私の主張は受け入れてもらえないみたい。


そもそも、ルームメイトなんてことがバレたら、ただじゃ済まないのだ。