「まだどこの部屋か聞いてなかったじゃない?」



しまったぁ……!!


こういう時が訪れてもいいように、答えを用意しておくべきだった。



「私の部屋は……っ、」


「それ、俺も知りたいんだよねぇ」



は……?


追い打ちをかけるように、背後から聞こえたその声……。


それは、真夜中に聞いたものと完全一致した。



「ゲッ……深恵くん……っ」



黒縁メガネをかけた深恵くんが、ふふんっと得意気に立っていた。


しかも非常に近いんですけど。

最悪……。



「抱かれたい男ナンバーワンのチャラ男の深恵じゃん」


「遠野さんさー、それ嫌味? それとも褒めてんの?」


「どっちの意味もこめて言ったの。それに、あんたがなんで星七の部屋を知りたがるのよ?」



大ピンチ……。