* * *



「……あぶね。大丈夫か?」


「はぁ、はぁ、はぁ……っ」


「……なんでお前が息切れしてんだよ」



ベットに腰を降ろして息を整える。


まだ、ドキンッと何度も鼓動が暴れている。


無事に707号室に帰還した私と虹くんだったけど、危機一髪なんでもんじゃない。


追いかけてきた人はきっと寮長さんだろう。


……明日には大騒ぎになってるかもしれない。



「……ごめんね虹くん……っ、今後は減量に励むようにするから!」


「……なんの話だよ」


「だって明日には、虹くんの腕が筋肉痛になってるかもしれない……そしたら、私が虹くんのカバン持つからね!?」



虹くんの隣で何度も謝罪をする。


じーっと私を見つめる虹くんの眉間には、シワが刻まれていく。



「そこまで心配されるほど頼りなかったわけ?」


「……ち、違うよ! そうじゃなくて、ホントに申し訳なくて……」


「無事だったんだからもういいって。それより鍵は?」


あっ!