「そんなぁ……! 困るよ!」
「俺も困る」
「だ、だよね……とりあえず、荷物置かせてもら……」
「とりあえず出てって?」
はい?
虹くんは塩だとは聞いてたけどほんとに塩すぎじゃない!?
塩対応なんてもんじゃない。
私からしたらもう岩塩だわ。
それはそれは塩の塊よ!?
「──って言いたいとこだけど、これ読んで」
虹くんは落胆する私の手を解放すると、テーブルの上から何かを拾い上げる。
「へ? なにこれ」
「俺が来た時に見つけた」
虹くんに言われ、私はふたつ折りになっているメッセージカードみたいなものを受け取りそっと開いた。
【ようこそ、魔女の住む棟へ】
そんな見出しから始まっていた。



