「今朝のニュース見た?」

「うん!エマちゃんの作戦、大成功だったね!エマちゃんって本当にすごいよ!」

紅蘭と華という隣町の不良と志穂ちゃんがつるんでいることを知ったエマちゃんは、紅蘭の彼氏である龍という男に金を握らせて志穂ちゃんと関係を持つように仕組んだ。

『でも、その龍って男に渡すお金……どうしよう……。わたし、お金が全然なくて……』

カスミちゃんに搾り取られてしまったわたしには持ち金がなかった。

でもエマちゃんは『お金のことなんて気にしないで。大丈夫。エマが出すから』と言ってくれた。

「ううん、誤算はあるの。まさかここまで早く紅蘭にバレるとは思わなかった。きっとカスミちゃんが何か絡んでるんだろうとは思うけど」

「カスミちゃんが……?」

カスミちゃんと紅蘭たちに繋がりがあるというのはエマちゃんから聞いて知っていた。

でも、まさか今回の暴行事件にカスミちゃんが関わってるっていうの……?

常に一緒にいた志穂ちゃんのこともカスミちゃんはいとも簡単に切り捨てた……?

「あの子は友達ですら簡単に切り捨てることができる人間だもの。極悪非道ね」

「……うん。次は……最後のイジメ返しだね。カスミちゃんにはわたしが味わった以上の痛みや苦しみを味わわせてやらないと気が済まない」

「これで最後、だね」

「うん」

あたしはエマちゃんににこりと微笑んだ。

すると、エマちゃんがわずかに表情を曇らせた。