わたしたちは運命じゃない




「なに?」



それでも。

みっつめのルールができたということは、つまり、運命のひとじゃないという現実が目の前にあるということで。



振り返った彼の顔が泣きそうなこと。

声が震えていること。

水の中に墨を溶かしたような、透明でない声なこと。

それらすべてに、くるしくなる。



いつからだっけ。

口に出す以外で彼の名前を浮かべられなくなったのは。