今夜、あなたに復讐します

「そうですか?
 じゃあ、お電話くださったら、うちの者が近くの道まで迎えに行きますよ」

「いや、自力で行く」

 頑なにそう言ってくるので、夏菜は少し笑い、
「じゃあ、お待ちしてます」
と言って、秘書室に戻ろうとした。

「待て。
 せっかくだから服でも買ってやろう。

 明日、着ていく服を」

 有生はそう言ってくれたが、

「いえいえ。
 あんな素敵なお土産をいただいたのに、更にそんな、申し訳ないです。

 そのパーティのドレスコードさえ教えていただければ、自分で用意していきますから」
と夏菜は断った。