ドライバーは乗った人間の命を預かっているようなものだからだ。
だが、それを聞いて、有生は笑う。
「お前、俺が殺された方がいいんだろう?
なにを心配することがある」
そう言われてたじろぎながら、
「い、いや、だって私も乗ってるかもしれませんしね」
とうっかり言ってしまい、
「ほう。
秘書は続ける気なのか」
とまた面白そうに言われてしまう。
上林まで、
「続ける気なんですね」
と間髪入れずに念押ししてくる。
……上林さん、すっかり社長の犬ですね。
悪徳企業で社長秘書をしていた上林だが、会社を有生に乗っ取られ、居場所がなくなり、逆恨みしていたようなのに、あっという間に、有生を心酔している。
二人に詰め寄られ、うっ、しまった!
と思ったとき、男を押さえつけている手が緩んだ。
いきなり起き上がった男に夏菜が振り落とされ、有生が立ち上がる。
夏菜はひょいと猫の子のように、指月につままれて引き起こされていたが。
「姉の仇!」
と男はナイフを有生に向けた。
え? 姉? と全員がナイフを持った男ではなく、有生を見た。
だが、それを聞いて、有生は笑う。
「お前、俺が殺された方がいいんだろう?
なにを心配することがある」
そう言われてたじろぎながら、
「い、いや、だって私も乗ってるかもしれませんしね」
とうっかり言ってしまい、
「ほう。
秘書は続ける気なのか」
とまた面白そうに言われてしまう。
上林まで、
「続ける気なんですね」
と間髪入れずに念押ししてくる。
……上林さん、すっかり社長の犬ですね。
悪徳企業で社長秘書をしていた上林だが、会社を有生に乗っ取られ、居場所がなくなり、逆恨みしていたようなのに、あっという間に、有生を心酔している。
二人に詰め寄られ、うっ、しまった!
と思ったとき、男を押さえつけている手が緩んだ。
いきなり起き上がった男に夏菜が振り落とされ、有生が立ち上がる。
夏菜はひょいと猫の子のように、指月につままれて引き起こされていたが。
「姉の仇!」
と男はナイフを有生に向けた。
え? 姉? と全員がナイフを持った男ではなく、有生を見た。



