利南子は、
「気に入った」
と夏菜の肩を叩く。

「今までこんなにハッキリ言った奴は居なかったわ。

 正直、社長はガードが固そうだし。
 おうちもなかなか大変そうだし。

 私は降りるわ。
 頑張って」

「ありがとうございますっ」

「……ひとつも話が噛み合っていないのに、違和感ないのが不思議ですよね」
といつの間にか横に居た指月が呟いていた。