夏菜が帰ったあと、有生はそっと扉を開けて、廊下に顔を出した。 指月と上林がいる。 夏菜が消えたエレベーターホールの方を見ながら指月が言った。 「彼女、きっと明日も来ますよ」 「来ますよね」 と上林も言う。 有生は二人と目を合わせると、深く頷き、扉を閉めた。