「お待ちしてましたー。
あけましておめでとうございますー」
道場に着いた途端、地獄のうさぎが現れた。
いや、雪丸が現れた。
だが、なんだかあれ以来、彼を見ると、みんな、地獄のうざき、と思ってしまうのだ。
なにかこう、油断すると足許を救われそうな感じがあるからだろうか。
ちなみに、有生の呼び名も変化していた。
陰では「若」ではなく、「魔王」と呼ばれている。
「おっ、魔王様が来られたぞ」
ひそひそとお弟子さんたちが話しているのが聞こえてきた。
「正月から魔王っぽいな」
魔王っぽいってどんな感じだ……と夏菜は思っていたが、なんだかわからない迫力があるということなのだろう。
この道場ではやはり、『強いは最強』なので、有生はお弟子さんたちに崇め奉られていた。



