新たに、
「死ねっ、御坂(みさか)っ」
とナイフを手に突っ込んできたスーツ姿のおじさんを秘書イケメンが取り押さえる。

 捕獲されたおじさんは手慣れた感じで、社内に放り込まれていた。

 何人かの警備員が出てきて、何処かにおじさんを連れていく。

 ……地下に拷問部屋とかあるのでは、と思う夏菜には気になることがあった。

 有生も秘書も警備員たちも、やけに手慣れた感じだったことだ。

 まるで、日々行なっているルーティンワークのような動きだった。

 姿の消えたおじさんの行く末を心配しながら、夏菜がガラス張りのロビーの方を見ていると、後ろから有生が言ってきた。

「おい、娘。
 俺への復讐は順番待ちだ。

 仕事でもして待っていろ」