今夜、あなたに復讐します

「いや、そろそろこの勝負を決するときだと思ってな。
 体力を消耗しすぎたら、いきなり後ろから地獄のうさぎが殴りかかってくるかもしれん」

 ははは、と酒瓶を手にした雪丸が笑っていた。

 ……やりそうだな、と思ったとき、有生が仕切り直すように叫んだ。

「さあ、来いっ!」
と柔道の構えをとる。

 二人視線を合わせたあとで、指月が有生に向かっていった。

 有生が指月の腕をつかんで向きを変える。

 次の瞬間、勢いよく指月はふっ飛んでいた。

 地面に叩きつけられる。

「一本!」
と黒木が声を上げた。

「華麗な一本背負いだっ」
とみながどよめく。

「さすがは若っ!」
と銀次が感激したように叫び、手を叩きはじめた。

 なんとなくみんなも拍手をする。

 有生が指月に手を差し伸べ、指月がその手をつかんだ。

「……やはり社長には(かな)いませんね」
と指月が憑き物が落ちたような顔で言い、珍しくちょっと笑った。

 夏菜もみんなと一緒に手を叩いていたが、内心、

 いや、ちょっと待て、と思っていた。