今夜、あなたに復讐します

「……さすがだな、藤原。
 その強さ、俺の花嫁にふさわしい」

 強さを見込まれたんだったんですか、私……と思ったとき、

「逃げろっ、夏菜っ」
と指月の後ろから声がした。

 有生だ。

「指月はまだお前を捕らえてはいないっ。
 ゴールはお前だっ」

 そ、そうかっ、と夏菜は再び繰り出された指月の手を腕で防ぐ。

「強い。
 強いな。

 隙がない……。

 面白いじゃないか、藤原……」

 ひいっ、夜叉が笑っている。

 怖いが、なんか楽しそうだ。

 次々繰り出される技を夏菜はすんでのところで、すべて交わしていた。

 中継を見ていたとき、雪丸が酒を(そそ)ぎつづけていたせいで、かなり呑んでしまっていたので足許がフラつくが。

 逆にそのせいで、指月の意表を突く動きになってるらしく。

 手からスポンと抜けていくうなぎのように、上手い具合に、夏菜は指月の手から逃れていた。

「酔拳かっ」
と耕史郎が笑い、有生が後ろから呆れたように、

「……やっぱり、お前が一番強いじゃないか」
と言ってきた。