今夜、あなたに復讐します

「銀次よ。
 よくぞ此処までたどり着いた」

 魔王が二体になったかと思った……。

 だから何故、二人とも同じセリフをっ、と思った瞬間、

「だが、もうボロボロじゃないか。
 ゆっくり眠るといい……」
と有生が言ってきた。

 やさしげなことをいっているのだが。

 その手にはやはり、斧を打ち付けているし、この寒風吹きすさぶ山で眠れということ自体、やさしくない。

「さあ、銀次。
 安らかに眠れ」

 いや、俺もうリタイアしてるんですけど、という言葉が出ない。

 有生の魔眼(まがん)に囚われて、視線が外せない。

「安らかに眠れ」

 だから、もうリタイア……

「眠れ」