今夜、あなたに復讐します

 突然、辻斬りに会った町人のように銀次は怯える。

 いつもなら、すぐに尻尾を巻いて逃げていたことだろう。

 だが、今日の銀次は此処で死んでもいいくらいに覚悟を決めていた。

 指月の方を見たまま、少し腰を落とす。

 下に落ちていた太めの枝を拾い、構えた。

「ほう。
 さすがは藤原道場の男。

 いい構えだな。

 一歩もひかぬその目つき、気に入った」

 この夜叉のような男にあんまり気にいられたくないっ、と内心思っていたが、口も開けぬ緊張状態だった。

 力の差は歴然。

 少しでも気を抜いたら、即座にやられそうだ。