もう駄目だ。
もう限界だ。
足も痛くて前に進めないし。
でも……
お嬢が待っていないとしても、せめて一歩でも前へ!
お嬢を好きだった自分の気持ちに決着をつけるためにもっ、と果敢に頑張る銀次の前にそれは現れた。
木立の陰から顔を出す。
いや、森のかげから顔を出すのはカッコウくらいにしておいて欲しかったのだが、それは夜叉のような気配をまとった男だった。
気持ちが悪いくらい整ったその顔は無表情で、手には刀があった。
真剣オッケー!?
聞いてませんけどっ?
と縮み上がる銀次の視線を追った指月が言う。
「……これは模造刀だ」
どっちにしろ、貴方が持っちゃ駄目なヤツな感じがしますよっ!?



