「映画が盛り上がって、手に汗握ったり、感動したりするといいなと期待してしまったのは俺の逃げだ」
いや、映画が面白いといいなっていうのは、映画見る前、誰でも思うことだと思うんですけど……。
「夏菜」
と有生は地球の命運を背負って旅立つ宇宙飛行士のような瞳で、夏菜の両手を握り、言ってくる。
「俺は映画が盛り上がって、お前が感動に涙したところで、そっとお前の手を握り、お前がこっちを振り向いたタイミングを逃さず、見つめ合って、そのまま終わりまで見たあと、『映画、よかったですね……』と美しい涙を落としながら言ってくるお前に、そっとキスするつもりだったのにっ!」
……立て板に水のようにロクでもないことを言い出したぞ。
なんかおかしいな、と思って見ると、有生の足許にカラになったフルーティなセメダインのボトルがあった。
映画のあまりのつまらなさに、ずっと呑んでいたようだ。
いや、映画が面白いといいなっていうのは、映画見る前、誰でも思うことだと思うんですけど……。
「夏菜」
と有生は地球の命運を背負って旅立つ宇宙飛行士のような瞳で、夏菜の両手を握り、言ってくる。
「俺は映画が盛り上がって、お前が感動に涙したところで、そっとお前の手を握り、お前がこっちを振り向いたタイミングを逃さず、見つめ合って、そのまま終わりまで見たあと、『映画、よかったですね……』と美しい涙を落としながら言ってくるお前に、そっとキスするつもりだったのにっ!」
……立て板に水のようにロクでもないことを言い出したぞ。
なんかおかしいな、と思って見ると、有生の足許にカラになったフルーティなセメダインのボトルがあった。
映画のあまりのつまらなさに、ずっと呑んでいたようだ。



