「金返せ」
夏菜は映画を見終わったあと、有生が画面に向かって、そうぼそりと呟くのを聞いた。
いやこれ、動画サイトの無料配信分ですよね~、と思う夏菜の横で有生は立ち上がり、叫び出す。
「とんでもない駄作だ!
何処も盛り上がらなかったじゃないかっ。
こんなもので全米は泣かないっ。
雪丸だって泣かないぞっ」
何故、雪丸さん……と思いながら見ていると、有生はまたソファに腰を下ろした。
新規プロジェクトについて考えているような真剣さで、電源を落とした画面を見つめている。
「で、でもまあ、こういうSF系のは当たりハズレが激しいですからね~。
ハズレに当たるのもまた一興というか。
あとになって思い返してみると、ハズレの方が印象深いというか」
ははは、と笑いながら言ってみたのだが、有生はまだ画面を見つめている。



