……さっき話しかけなければ、寝ていたのだろうか、と真剣に映画を見ている夏菜を見ながら有生は思っていた。
今日こそ、なにかをどうにかしなければ、と焦る。
どうも指月もこいつに気があるようだし。
実はこいつ、モテるのかもしれん。
まあ、黙っていれば可愛いし。
黙ってなくとも、なんとなく可愛いし……と思ったとき、夏菜が、
「わー、ハワイが凍ってますよ~」
と氷の世界になったSF映画を見ながら声を上げる。
「ハワイか。
そういえば、ハワイは徐々に日本に近づいてきているというが。
日本に来たときには、もうハワイじゃないと思うんだがな」
ま、ハワイじゃないというか。
南の島じゃないというかな、とくだらぬことを言いながら、有生は映画の内容に期待していた。
映画が盛り上がってピンチになったら、こっちもピンチになった気分になって、吊り橋効果で、心が近づかないだろうかと。



