「明るい日陰とは何処なんですかね」
と呟きながら、夏菜はアイビーの鉢を手に相変わらず、だだっ広いリビングを見回す。
冬の日差しに床からほんのり木の香りがしていた。
「以前から謎だったんですよ。
観葉植物の置き場所って大抵、明るい日陰って書いてあるじゃないですか。
明るいのか、日陰なのか、どっちなんだって思いません?」
と言いながら、夏菜はとりあえず、キッチンカウンターの上に置いてみた。
ほどほど明るい感じだからだ。
明るい日陰の話をしたせいか、有生は窓の方を見ていた。
そこから射し込む昼の光を眩しそうに見ていた有生が言う。
「ちょっと呑んでみるか?」
「え?」
「せっかく、休みの日にふたりでいるんだ。
昼間から酒でも呑んでみるか」
と有生は笑うが、夏菜は本当に明るい窓の方を見て、
「なにか申し訳ない気持ちになってしまいますね。
何故でしょうね」
と呟いた。



