やっぱり、社長と二人きりで車に乗るのは緊張しますね、と有生の運転する車の助手席で夏菜は思っていた。
うう。
黒木さん。
後部座席でいいので座っていてください~っ、と黒木が、ええーっ!? と叫び出しそうなことを思う。
有生を崇めたてまつる黒木が有生に運転させて、おのれがどっかり後ろに座るなんて絶対にやりそうにはない。
そんなことを考えていたとき、有生が、
「正月は……」
と言いかけた。
え? と振り返ったが、有生は、いや、と言ったあとで、
「そういえば、お前は何年《なにどし》だ」
と訊いてきた。
正月。
年賀状。
干支はなんだ? という発想だろうかなと思いながら、夏菜は答える。
「何年って、えーと。
今、年女なんで……」
と言いかけたところで、有生が、ええっ? という顔をする。
「……十二じゃないよな?」
それだと犯罪ですよね……。



