今夜、あなたに復讐します

 今、有生は移動する列の先頭辺りで、柴田と話している。

 やられキャラ夏菜は、それからかなり離れて自分の前にいた。

 ……藤原は俺が酔っていると思っているようだ、
と酔っている指月は思う。

 今なら、許される気がする。

 ちょっとくらいなにかしても……。

 そう。
 今なら藤原になにかしても、酔っているからとちょっとくらいなら、許される気がする!

 危険な酔っ払いの思考で指月はそう思う。

 ごく自然な感じに足を速めて近づく。

 殺気には鋭い夏菜に気づかれぬように。

 そして、指月は、すれ違いざま、軽く夏菜の手に触れてみた。

 彼女を追い抜こうとしたとき、たまたま、振った手が当たったようなフリをして。

「ああ、すまん、藤原」
といきなり手になにかが当たったので、ん? と周囲を見回した夏菜に指月は言った。