どうやら、藤原は俺が酔っていると思っているようだ……。
酔っている指月は、そんなことを思いながら、二次会の会場に向かって夜道を歩いていた。
すぐ前を歩いている夏菜は彩美たちになにか言われながら、
「えーっ。
そんなことないですよーっ。
いや、ほんとにーっ」
と苦笑いしながら叫んでいる。
典型的なやられキャラだな、と指月は思った。
だが、やられキャラだが、藤原がいるだけで、場が和むというか。
緊迫感がなくなるというか……。
途中参加の人間もいて、呑み会の人数は結構多くなっていた。
中には同期で張り合って、ピリピリしている男連中もいたりして。
うっかり仕事の話になろうものなら、一触即発な雰囲気になったりもしていたのだが。
向かい合って座るふたりの、火花飛び散る視線のど真ん中に、夏菜がサーモンを落としていた。



