「ほう。
やっぱり、その子と結婚するのか、おめでとう」
広田雅道は仲間内の行きつけだというホテルのスカイラウンジで待っていた。
「まあ、似合いな感じだな。
それにしても、よくお前が結婚に踏み切ったな」
と言われ、有生がなんとなく祟りの話をすると、
「……あるかいまどき、祟りとか呪いなんて」
と雅道は言う。
「いやあ、呪いはありますよ」
と薄暗い、雰囲気のある店内で夏菜は言う。
こんな小洒落た空間で話してもピンと来ない話題だなと思いながら。
「植えると必ず枯れる呪いの植木鉢とか」
「何処で買ったんだ……。
なにかが有毒なんじゃないのか?」
「一冊抜くと、本がどっと落ちてくる呪いの本棚とか」
「入れ方がおかしいんだろ」
と雅道に言われ、有生に言われる。



