「変わった人ですね」
その夜、大広間の夕食の席で、有生は銀次に言われた。
「せっかく平日もお嬢と二人で暮らしていいって言われたのに、何故、此処にいるんですか。
素直にマンションに戻ればよかったじゃないですか」
今日の食事の当番なので、銀次がよそったご飯を持ってきてくれた。
「お前はそれでいいのか?」
と問うと、
「よくはないですけどね。
せっかく二人でラブラブでいられるときに、妙な人だなと思いましてね」
と言ってくる。
「いや、離れている時間が愛を育てるかなと思って」
と有生は言いながら、お膳の向こうを間が抜けている感じに歩いている夏菜を見る。
歩いているだけで間が抜けてるとか凄すぎるな、と改めて思いながら見つめていると、夏菜がこちらに気づいて、殺気っ? とばかりに振り向いた。
が、目が合った瞬間、へらりと笑う。
「……何処も離れてないですよね」
と銀次はすぐそこにいる夏菜を振り返りながら呟いていた。



