今夜、あなたに復讐します

 有生は忙しそうにしていたので、そっとデスクにその書類を置く。

 電話していた有生はこちら見て、ありがとう、というように頷いた。

 仕事中の有生の顔は男が見ても、惚れ惚れする。

 藤原よりは断然、こっちを好きになりたい! と改めて思った。

 軽く頭を下げて社長室を出ると、ちょうど珈琲を手にした夏菜が現れた。

 今から運ぶところのようだ。

「お疲れ様です」
とこちらに微笑みかけたあとで、社長室のドアをノックしようとしたので、

「社長は電話中だ。
 ついでがあるから、あとで俺が持っていく。

 秘書室に戻れ」
と言った。

 電話の邪魔になるといけないからだ。

 決して、社長室で二人きりにしたくなかったからではない。