今夜、あなたに復讐します

 有生の視線を追った頼久は、
「そういう意味ではない。
 常にフラフラしていて、私も行方を知らんのだ」
と言う。

「そ、そうなんですか。
 ぜひ、ご挨拶をと思ったんですが」

「諦めろ。
 あれを探し出すことは私にも不可能だ」

 行方は追えん、と頼久は言う。

「自分の気が向いたときだけ帰ってくるのだ」

 ……この家の人間は、どうなってるんですかね、と有生は思っていた。

 夏菜の両親といい、みな所在がつかめない。

 もしや、もっとも偉そうなこの人が、家族間では一番の下っ端で、すべての用事を任され、此処から動けないのでは? と疑ってしまう。