今夜、あなたに復讐します

 



 こうして働いていると、社長って雲のうえの存在だな~と思いながら、次の日、夏菜は郵便物の仕分けをしていた。

 いきなり雲の上の人を襲うなんて無茶だったよな。

 って、下の人を襲う理由は特にないんだが……。

 そういえば、昨日、社長の命を狙ってきたおじさんは警察に連れて行かれたのかな。

 ……私はなんで連れて行かれないのかな。

 会議のお茶出しが終わったら、連れて行かれるのかな。

 ……もしや、こうして、向こうの七代目を私に襲わせて、刑務所に入って人生が終わるという呪いだったのだろうかとか、機械的に仕分けをしながら、ぐるぐる考えていたとき、

「水原さーん。
 ボールペン……

 あっ、新しい可愛い子がいるっ」
と声がした。

「こんにちは」

 にゅっと後ろから顔を出してきた可愛らしい顔の男が、

「初めまして。
 派遣さん?

 僕、営業の柴田です」
と笑顔で挨拶してくる。