「いや、終わり方は唐突だったが、いい映画だったな」
突然、終劇と出て、なんの後日談も余韻もなく、戦いの決着がついたら終わりだったのにビックリだが、いい映画だった、と思いながら、夏菜に言うと、
「はいっ。
久しぶりに見ましたけど、よかったですっ。
小さな頃、道場の人が見せてくれたとき以来なんですよ。
古い映画らしいので、DVDとかないかと思ってました」
「そうか、よかったな」
と有生は、ぽん、と夏菜の両肩に手を置いてみた。
共にいい映画に涙し、心の距離は縮まった気はするが、映画が映画だけに、此処からいい雰囲気に持ち込むのは難しいぞ、と思いながら。
だが、夏菜はあまり恋愛映画とか見そうにないし。
自分もSFとかの方が好きだ。
しかし、もう時間がない。
このままなんとかラブラブな方向に、と思いながら、夏菜を引き寄せようとしたが、夏菜は素早くその気配を察し、有生の腕をつかもうとした。
させるかっ、と有生は腕をひねりあげられる前に、飛んで逃げる。
「やりますね、社長っ」
と構えたまま言う夏菜はなんだか嬉しそうだ。
夏菜に尊敬のまなざしで見られて嬉しいような。
方向性がおかしいような……。



