今夜、あなたに復讐します

「そうだ。
 エッグベネディクトとか作ってみたいな」

「社長、料理したことなんですよね?
 なんでいきなりそんな上級編みたいなところから行こうとするんですか」

「いや、100均グッズを使えばできるんじゃないか?」

「そういえば、そうですね」
とカサカサとたまご系のグッズを取り出す。

「ん? 温泉卵を作るのと半熟卵を作るのがありますが。
 どっちですかね? エッグベネディクトって。

 そもそも温泉卵と半熟卵、どう違うんでしたっけ?」

「黄身が固まってるのが温泉卵、白身が固まってるのが半熟卵だ。
 だがまあ、エッグベネディクトはポーチドエッグだからな」

「……ポーチドエッグは半熟卵ですか、温泉卵ですか」

「ポーチドエッグはお湯に酢を入れて、卵を割って入れるようだな。
 白身の方が固まっているから、半熟卵と同じだが、作り方が違うようだ」

 途中からカンニングを始めましたね……とさりげなくスマホでポーチドエッグを調べている有生をチラ見する。

 だが、そのとき、夏菜は気づいた。

 袋の中にもうひとつ、たまごグッズがあったことに。

「あっ、ポーチドエッグカップって小さく書いてあるのがありますよっ」