「びっくりしました、お兄様がこのマンションにいらっしゃるだなんて」 有生の部屋に戻った夏菜はその驚きを有生に語る。 「しかも、道場は嫌だとか言いながら、ちゃっかり道場での格闘経験を生かしたアクションものの小説を書いてらっしゃったとは。 しかも、私、この本、読んで涙したことがあるんですっ」 と耕史郎にもらった本を手に、夏菜は言った。 「……何故、売れないのでしょう。 ちょっと道場用に何冊かこのシリーズの本、買っていきますっ」 と出て行こうとして、 「待て」 と有生に止められる。