「ところで、道場を嫌がって逃げたお兄様は今、一体、なにをされてるんですか?」 兄はソファと揃(そろ)いの素敵な革張りの椅子で長い脚を組むと、その美しい顔で、うむ、と頷き、言ってきた。 「まったく売れない作家をやっている」 「さっさと帰ったらどうですか、お兄様……」