今夜、あなたに復讐します

「……フラッととか言うと、半端な感じなので。
 どっちかって言うと、グイッと」

「いや、ぽいっとされましたよ、最初」

「それはお前がペットボトルで俺を撲殺しようと突っ込んで来たからだろうがっ」
と言い合っていると、耕史郎は一人がけの椅子に腰掛けながら、

「まあ、お前たちが仲がいいのはよくわかった」
と不本意なことを言う。

「それにしても、よくじいさんが結婚前に二人で住むとか許したな」

「もともとおじい様が勧められたんです、このお話。
 御坂の家と一緒になったら、祟りもなくなると言って」

 なるほどな、と呟きながら、耕史郎はおのれのグラスの中を見つめて言った。

「ってことは、俺が家を出てよかったということだな。
 俺とこいつじゃ、そういう決着のつけ方はできなかっただろうから。

 最初は(かたき)に女にされるとかどうなんだと思ったが、まあよかったじゃないか」

 ……いや、なにもされてませんからね、まだ、と思いながら、夏菜は訊いた。