話を総合すると、あれか。
俺は夏菜に積極的に手を出していいと言うことか。
キスして褒められたしな。
すると、結婚前になにかあっても、どんどん褒められるということかっ、
と有生が都合よく拡大解釈する横で、夏菜が微笑む。
「美味しかったですね~。
銀次さんちの大根」
加藤が車を出してくれると言ったのを断り、なんとなく二人で歩いて帰っていた。
いや、最初はちょっと歩いてタクシーか電車で帰ろうと思っていたのだが。
夜の庭で銀次の愚痴を聞いているうちに酒が出てきて、二人ともちょっぴりほろ酔いな感じになっていた。
そのせいか、冷たい冬の夜風が頬に心地よく、二人ともどんどん歩いてしまっていたのだ。
見知らぬ住宅街を機嫌よく歩いている夏菜を見ながら、ほろ酔いな有生は思う。
夏菜め。
何故、お前はそんなに、ほにょほにょして、緊張感がなく、可愛らしいのだ。
駄目だろう、そんなことではっ。
何処に俺のような男が居るかわからないのにっ。



