「……頑張っているかね」
と着物姿で腕組みした頼久に有生は言われた。
「え?
ああ、夏菜ですか?
はい。
慣れない家事をやったり頑張ってますよ」
「いや、そうではない……」
と言いにくそうに言ったあとで、ずいっ、と頼久は正座したまま前に出てくる。
「まさか一日二人きりでなにもしなかったわけではないだろう」
「……するなとおっしゃったではないですか」
と言って、
「莫迦正直な男だな」
と言われた。
「何処の祖父が、さあ、手をつけなさいと言って、孫娘を送り出すと思うんだ」
「じゃあ、出してもよろしかったんですか?」
そう問うと、頼久は渋い顔をする。



