今夜、あなたに復讐します




「それでそのままランニングして此処まで帰ってきたんですか」

 みんなが夕食をとっている広間で大根の煮物を出してくれながら、加藤が呆れたように言ってきた。

「す、すみません。
 せっかく水買ったんで、なんだかそのまま走った方がいい気がして」
と夏菜は答える。

 二人で水を手に道場まで走ってきたのだ。

 ちょうど晩ご飯の時間だったので、食べていってはどうかと言われて、結局、いつものように此処で食べることになった。

 加藤が、はは、と苦笑いし、
「今日はお二人でディナーとか行かれるのかと思ってましたよ」
と言ってきたが。

「いやいや。
 ディナーもいいですけど、此処のご飯、美味しいので。

 今日は特に大根が絶品ですね。
 とろとろで」

 寒くなってきたせいか、大根が美味しい。

「銀次の実家から送ってきたんですよ」
と加藤が笑って教えてくれる。

「……銀次さん、実家あったんですか」
と何故かまた物陰からこちらを見ている銀次を見て、夏菜は呟いた。

 なんとなく、さすらいの銀次、という雰囲気だったのだが。

 そういえば、お盆とかいなかったから、実家に帰ってたんだろうな、と今になって気がついた。