今夜、あなたに復讐します

「これはうっかりしてたら、本当にペットボトルで()られてましたね、社長」

 夏菜の強さをわかっていたように、暴漢との間に割って入らなかった指月が言った。

「いやいやいや。
 私が学んだの、護身術だけなんですよっ。

 こちらから攻撃するのは苦手なんですっ」
と夏菜は叫んだが。

「性格的なものですかねえ。
 充分()れそうな腕は持ってますけどね」
とあまりありがたくないことを言って、指月は夏菜を褒めてくれる。

「よしっ、お前を雇おう。
 俺のボディガードとして」
と有生が言い出した。

「ええっ?」

「お前、俺に恨みを晴らしたいんだろうが。
 その前に、俺が別の奴に()られたら困るだろ。

 側にいることで俺も狙える。
 一石二鳥だろう?

 指月、例の会議のお茶出しが終わったら、こいつ、秘書に異動させるから。
 お前、仕事を教えてやれ」
と言われ、指月がめんどくさそうな顔をする。

 いや、私、普通におねえさま方ときゃっきゃとOLやってみたかったんですけどね……と夏菜は思っていたが、このワンマン社長には逆らえそうになかった。