今夜、あなたに復讐します

 目の前から消えたと思った次の瞬間には玄関扉がバタンと閉まる音がしていた。

 突然の展開に、一瞬、茫然としてしまった有生だったが、すぐに、
「待てっ。
 夏菜っ」
と追いかける。

 下に下りると、夏菜はもうかなり先を走っていた。

 その後ろ姿を追いながら、このスピードでは夫婦でランニングとかには見えないだろうし。

 通行人から見た俺は、婦女子を追いかけ回す変質者ではなかろうか。

 通報されるっ!?

 会社の信用がっ、と思いながらも夏菜を追うことをやめられずに、有生は夏菜を追って走った。