どうやら、モーターの駆動音が、湧き上がる民衆の雄叫びに聞こえたようだった。
「そうか。
食洗機ないもんな、お前んとこ」
有生とふたり、黒いワイヤーで小物を作りながら語り合う。
「道場こそ大人数なのに、食洗機があった方がいい気がするが」
「いや~、それも修行の一環なんじゃないかと思うんですよね。
死んでもやりたくないことをやるっていうのが」
「……そんなに嫌いなのか、茶碗洗うの」
そんな話をしながら、夏菜はなんだかわからない、うねうねしたものをワイヤーで作り上げ、仕方がないので、ちょっと丸くして、
「ブレスレットです」
と誤魔化したが。
有生はアクセサリーが引っ掛けられるトルソーのようなものを立派に作っていた。
「ほら、使え」
と渡される。
「あ、ありがとうございます」
と言いながらも、
100均一年生なのに、社長めっ。
ちょっと悔しいですっ、と夏菜は思っていた。



