食後、夏菜たちはぽかぽかと日の当たるリビングで、100均グッズを並べて、ああだこうだ言っていた。
しかし、夏菜は不思議な音に気がついて、辺りを見回す。
「どうした?」
と有生が訊いてきた。
「いえ、何処からか、民衆の叫びが」
「民衆の叫び?」
「フランス革命を前にした民衆の雄叫びのような声が聞こえるんです」
「……お前はフランス革命を前にした民衆の雄叫びを聞いたことがあるのか」
と言われながら、夏菜はウロウロと室内を巡って歩いた。
が、それらしき音はもう聞こえてこなかった。
もしや、外からの音だろうか、と思ったのだが。
掃き出し窓を開けて、バルコニーに出てみても、もうそのような声は聞こえてはこなかった。
下を覗いてみても、普通に人や車が行き交っているだけだ。
なんとなく、下の道に民衆が押し寄せて来ているような気がしたのだが……。



