広い庭を掃きながら、加藤は白い息を吐いて山を見上げる。
今日も誰かが罠に引っかかってるかな、と思いながら。
「静かですねー」
と後ろから声がした。
今日、山のような洗濯物を手にした雪丸が立っていた。
一日に何度も汗まみれになる男たちがいるので、幾ら洗濯しても追いつかないのだ。
「夏菜さんはどうしているでしょうね。
もっといろいろ教えておけばよかったと後悔ばかりですよ」
と加藤は溜息をつく。
「まさかこんな急に縁談がまとまるとは思ってなかったので」
いつまでも子どもだと思っていたのに」
ははは、と雪丸が笑っていった。
「加藤さんは夏菜さんのお母さんみたいですねー」
「手伝いましょうか」
と微笑む加藤と二人で洗濯物を干した。



