今夜、あなたに復讐します

 


 タブレットでレシピを検索したあと、寝転がれそうなくらい広い家具調のキッチンの上に100均のタブレット置きを置いてセットした。

「よしっ」
と言った有生の横に、アシスタントのように立つ夏菜は呟いた。

「そういえば、材料がないですね」

 なにもなく美しい家の冷蔵庫もなにもなく美しい。

「……スーパーかな」

「スーパーですよね」
と呟き、二人は困惑する。

 スーパーかあ。
 買い出しについて行くけど、いつも、

「夏菜さん、しらたき取ってきてください」

「はいっ」

「カレーのルーもお願いします。
 中辛で」

「はいっ」
を繰り返しているだけだ。

「スーパーって、スーパーの達人みたいなおばちゃんやママさんがたくさんいるので、気後(きおく)れしちゃうんですよね……」

「……俺もだ」

「そういえば、夜10時ごろ行ったら、空いてましたよ」

「10時まで待つか」

 正気ですか? と加藤辺りが言ってきそうなことをふたりで呟き合う。